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ドローン転職ガイド 測量・建設ドローン求人

ドローン測量の転職先はどう比較する?「誰の発注で飛ばすか」で5タイプに分ける企業の選び方

ドローン測量の転職先を比較するときに最初に見るべきなのは、企業の知名度でも保有機体数でもなく、その会社が「誰の発注で、どの制度のもとでドローンを飛ばしているか」です。同じ「ドローン測量」という言葉でも、国や自治体の公共測量を受注する測量会社と、自社の工事現場で出来形を計測する建設会社とでは、必要な資格も、身につくスキルも、キャリアの伸び方も別物になります。

この記事では、ドローン測量に関わる企業を発注構造で5タイプに分け、比較表と選定のチェックポイントを整理します。求人票のどこを見れば自分に合うタイプか判別できるかまで書いていますので、応募先を絞り込む段階で使ってください。

ドローン測量の求人は「業態」で中身が大きく変わる

ドローン測量という仕事は、大きく次の2つの制度が重なる領域にあります。

  • 測量法:国や自治体が費用を負担する測量は「公共測量」に当たり、測量法第34条に基づく作業規程の準則に従って作業します。測量業を営むには測量業者の登録が必要です。
  • 航空法:機体の登録、飛行許可・承認、無人航空機操縦者技能証明など、飛ばすこと自体に関するルールです。

求人票に「ドローン測量」と書かれていても、測量法側の制度に深く関わる会社と、ほぼ航空法側だけで完結する会社があります。ここを見分けないまま応募すると、「測量士補を取れと言われると思っていなかった」「逆に、飛行技術を磨けると思ったのに実務はほぼデータ処理だった」といったミスマッチが起こります。

なお、国土地理院の作業規程の準則には、2020年(令和2年)にUAV点群測量と地上レーザ点群測量を含む「第4編 三次元点群測量」が新設され、2023年(令和5年)にはUAVレーザ測量などが追加されています。ドローンによる測量は、すでに公共測量の標準的な手法の一部として制度に組み込まれている、という前提で企業を見てください。

【比較表】ドローン測量に関わる企業5タイプ

タイプ 主な発注元・仕事の出どころ ドローンの位置づけ 測量士・測量士補の必要度 未経験からの入りやすさ
①測量会社(測量業者登録あり) 国・自治体の公共測量、民間測量 従来手法と並ぶ計測手段の一つ 高い(営業所ごとに測量士の設置義務) 補助作業からの育成枠がある
②建設コンサルタント 国・自治体の調査・設計業務 設計の前提となる地形データ取得 高い(設計側の技術者資格も重視) 中程度。技術系の実務経験が見られやすい
③建設会社・施工会社 自社が受注した工事 ICT施工・出来形管理の内製手段 中程度(施工管理側の知識が中心) 施工管理職としての採用が主
④ドローンサービス事業者 測量会社・建設会社等からの受託 事業の中核そのもの 案件による(公共測量の下請けなら関与が必要) 操縦・データ処理からの入り口がある
⑤機体・ソフトメーカー、販売・スクール 上記①〜④の企業やユーザー 製品・サービスとして提供 低〜中(製品知識と説明力が中心) 営業・サポート職からの転身が可能

この表の右2列は、求人票の「必須資格」「歓迎資格」欄と「配属先」欄を照らし合わせると、かなりの精度で判別できます。

①測量会社:制度の中心にいるが、資格のハードルも高い

測量法では、測量業を営むには測量業者の登録が必要とされ、さらに測量法第55条の13第1項で「測量業者は、その営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならない」と定められています(国土交通省中部地方整備局の解説資料)。

つまり測量会社では、測量士という資格が「あると有利」ではなく、組織の存立要件として組み込まれています。未経験で入る場合も、入社後に測量士補・測量士の取得を前提としたキャリアパスが敷かれていることが多く、求人票に資格取得支援の記載があるかどうかが判断材料になります。

②建設コンサルタント:地形データを「設計に使う」視点が求められる

建設コンサルタントでは、ドローンで取得した三次元点群データが、そのまま設計の入力データになります。国土交通省は直轄の土木業務・工事において、小規模なものなどを除きBIM/CIMを原則適用する方針を示しており、関連する測量業務も対象に含まれています(直轄土木業務・工事におけるBIM/CIM適用に関する実施方針)。

飛ばすこと自体より、取得したデータをどの精度で、どの形式で、次の工程に渡すかが評価される職場だと考えてください。

③建設会社・施工会社:ドローンは「工程の一部」

施工会社がドローンを使う典型は、起工測量と出来形管理です。国土交通省は3次元計測技術を用いた出来形管理の要領類を整備しており、空中写真測量(無人航空機)や無人航空機搭載型レーザースキャナーを用いた出来形管理要領がその一例です(建設施工・建設機械:要領関係等(ICTの全面的な活用))。

この領域では、ドローン専任ではなく施工管理職がドローンも扱う形が一般的です。測量専業を目指すのか、施工管理のキャリアの中でドローンを武器にするのか、ここで方向が分かれます。

④ドローンサービス事業者:操縦とデータ処理から入れるが、案件の質を見極める

ドローンを使った計測・点検を受託する専業事業者は、未経験から操縦・データ処理を学べる入り口として現実的な選択肢です。ただし、公共測量の一部を担う場合は発注者側の制度要件が下請けにも及ぶため、求人票の「業務内容」に公共測量・ICT施工の記載があるかを確認してください。民間案件中心か公共案件中心かで、求められる書類作成の厳密さが変わります。

⑤機体・ソフトメーカー、販売・スクール:現場に出ない選択肢

測量現場そのものではなく、機体・解析ソフト・教育を提供する側に回る道です。前職の営業経験やIT経験を活かしやすい一方、測量士としての専門性は積み上がりにくくなります。「ドローン業界に入ること」が目的なのか、「測量技術者になること」が目的なのかで評価が変わるタイプです。

企業タイプ全体の比較は、ドローン業界の転職におすすめの企業は?5タイプ別の比較と自分に合う会社の選び方も併せて確認すると、業界全体の中でのドローン測量の位置づけがつかみやすくなります。

求人を比較する3つのチェックポイント

①測量士・測量士補の扱いが「必須」か「歓迎」か「支援あり」か

同じ「ドローン測量」の求人でも、この3つは意味がまったく違います。

  • 必須:即戦力採用。未経験からの応募は通りにくい
  • 歓迎:入社後取得を見込んだ採用。育成の意思がある可能性が高い
  • 資格取得支援あり:受験費用や講習費の補助制度がある。未経験者はここを最優先で探す

測量士補は、試験に合格するか、国土交通大臣の登録を受けた測量に関する専門の養成施設を卒業するかのいずれかで資格要件を満たし、国土地理院への登録申請を行うことで測量士補になります。登録申請自体に期限はありません。

②「飛ばす時間」と「処理する時間」の比率

ドローン測量の実務は、飛行そのものよりも、標定点の設置、撮影計画の作成、解析ソフトでの点群生成、成果品の整理といった前後の工程が大半を占めます。面接では「1案件あたり、現場での飛行は何日、社内でのデータ処理は何日ですか」と具体的に聞くのが有効です。ここを曖昧にしか答えられない会社は、ドローン測量の実績自体が浅い可能性があります。

③保有している技能証明の等級と、飛ばしている飛行の種類

無人航空機操縦者技能証明には一等と二等があり、技能証明書の有効期限は3年間です。また、技能証明は必ずしも必須ではなく、飛行の内容によって必要になるものとされています(国土交通省 無人航空機操縦者技能証明等)。

測量現場の多くは、立入管理措置を講じた上での飛行で足りるケースが多いと考えられますが、会社としてどの範囲の飛行に対応しているかは、扱える案件の幅に直結します。「一等の保有者が社内に何人いるか」ではなく、「実際にどんな飛行をしているか」を聞いてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 未経験でも、いきなり測量会社に応募して大丈夫ですか?

応募自体は可能です。測量会社には、資格取得を前提とした育成枠を設けているところがあります。ただし、営業所ごとに測量士を置く義務がある業態である以上、資格への姿勢は必ず問われます。応募前に測量士補の試験内容を確認し、「いつまでに取得するつもりか」を自分の言葉で言えるようにしておくと通過率が変わります。

Q. 測量士補の試験はどのくらいの難易度ですか?

国土地理院の公表によれば、令和8年測量士補試験は受験者12,269名に対し合格者5,447名、合格率44.4%でした(令和8年測量士補試験の合格者を発表)。なお合格率は年によって変動するため、直近1年の数字だけで判断せず、複数年の推移を国土地理院のサイトで確認することをおすすめします。

Q. ドローンの国家資格を先に取れば、測量の仕事に就けますか?

「就きやすくなる要素の一つ」ではありますが、それだけでは足りません。測量成果の品質を担保するのは測量法側の制度であり、技能証明は航空法側の制度です。測量会社・建設コンサルタントを狙うなら、技能証明よりも測量士補を先に検討したほうが、求人票の要件と噛み合いやすくなります。

Q. どのタイプが一番年収が高いですか?

タイプだけでは決まりません。公的統計でドローン測量職に限定した平均年収を確認することはできず、同じタイプの企業でも、担当する案件の規模や保有資格、役職によって差が出ます。求人ごとの提示額と、そこに含まれる手当の内訳を個別に確認してください。報酬の考え方についてはドローン測量の報酬相場と収入アップの秘訣も参考になります。

Q. 5タイプのうち、未経験から最も入りやすいのはどれですか?

一般的には④ドローンサービス事業者と③建設会社が入り口になりやすいと考えられます。④は操縦・データ処理という具体的なスキルで評価されやすく、③は施工管理職としての採用枠があるためです。ただし「入りやすさ」と「測量技術者としての専門性が積み上がるか」は別問題なので、3年後にどうなっていたいかを先に決めてから選んでください。

まとめ

ドローン測量の転職先を比較するときの軸は、次の3つに集約されます。

1. 発注構造:公共測量に関わるか、自社工事か、受託か。ここで必要資格と書類の厳密さが決まる 2. 資格の扱い:測量士・測量士補が必須か、歓迎か、支援ありか。未経験なら支援ありを最優先で探す 3. 実務の内訳:飛行と、データ処理・成果品作成の比率。面接で日数ベースで聞く

国土交通省はi-Construction 2.0において、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上させることを目指すと示しています(「i-Construction 2.0」を策定しました)。三次元データを前提とした現場づくりが進む中で、ドローン測量に関わる人材の役割は広がっていくと考えられます。

一方で、企業タイプごとに求められるものは明確に異なります。「どの会社が良いか」ではなく「どのタイプが自分の3年後に合うか」から逆算して、応募先を絞り込んでください。

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著者:ドロテン運営事務局(ドローン業界特化の転職・副業紹介サービス「ドロテン」の編集チーム)

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