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ドローン業界の将来性 測量・建設ドローン求人

2026年のドローン測量 求人トレンド|制度整備と市場データの2軸から「どこに人が要るか」を読む

2026年時点でドローン測量の求人動向を読むなら、見るべき指標は2つです。ひとつは市場規模の推移、もうひとつは公共測量の制度側でUAVがどこまで標準化されたかです。求人数そのものの公的統計は確認できませんが、この2軸を押さえれば「どの領域で人が必要とされているか」は構造的に推定できます。

この記事では、公表されている市場データと国の制度文書をもとに、ドローン測量に関わる仕事の需要がどこに向かっているかを整理します。求人サイトの件数を数える代わりに、需要が生まれる仕組みのほうを見ていきます。

近年の市場の変化と背景

まず市場規模から確認します。インプレス総合研究所の『ドローンビジネス調査報告書2026』によれば、2025年度の国内ドローンビジネス市場規模は前年度比13.8%増の4,973億円と推測され、2026年度は5,501億円に拡大する見込みとされています。さらに2030年度には9,544億円に達すると予測されています(インプレス総合研究所のプレスリリース)。

同調査では、ドローン利用企業の7割以上が実装フェーズにあり、土木・建築や点検用途での普及が顕著とされています。ここが重要です。市場全体が伸びているという話より、「土木・建築」という測量に隣接する領域で実装が進んでいるという点のほうが、求人の話としては直接的な意味を持ちます。

実証実験の段階では、専門家が数人いれば足ります。しかし実装段階に入ると、日常的に現場を回せる人員が必要になります。求人が生まれるのは後者の局面です。

制度側で起きている3つの変化

市場データだけでは、需要がどのくらい持続するかは読めません。そこで制度側を見ます。ドローン測量に関しては、ここ数年で「新技術」から「標準的な作業手法」への移行が明確に進んでいます。

変化①:作業規程の準則にUAV測量が段階的に組み込まれた

公共測量は、測量法第34条に基づく作業規程の準則に従って実施されます。この準則には、次の経緯でUAV関連の測量手法が追加されてきました。

  • 2020年(令和2年):UAV点群測量、地上レーザ点群測量を新規追加し、「第4編 三次元点群測量」を新設
  • 2023年(令和5年):UAVレーザ測量、車載写真レーザ点群測量、航空レーザ測深測量を新規追加し、編構成を改編
  • 2025年(令和7年)3月31日:最新改正。全国の標高成果の改定に関連する条文改正、GNSS標高測量の導入など

つまりドローン測量は、「使ってもいい新技術」ではなく「準則に載った作業手法」になっています。 これは求人の性質を変えます。特定の技術者の個人技ではなく、組織として回す業務になるため、担い手の数が必要になるからです。

変化②:マニュアル類の整備が継続している

国土地理院はマニュアル・要領等のダウンロードページで、公共測量に関する各種マニュアルを公開しています。UAV関連では次のものが整備されています。

マニュアル 策定・最新改正
UAVを用いた公共測量マニュアル(案) 平成28年3月策定/平成29年3月改正
UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案) 平成30年3月策定/令和2年3月改正
地上レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案) 平成30年3月
車載写真レーザ測量システムを用いた三次元点群測量マニュアル(案) 令和元年12月
LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアル 令和8年3月改正
地上レーザ測量システムを用いた三次元点群合成マニュアル 令和8年3月改正

注目すべきは最後の2つで、2026年(令和8年)3月にも改正が行われている点です。三次元計測技術に関する基準整備は、現在も継続して進んでいます。技術が固定されず更新され続けているということは、現場側にも学び直しが要求され続けるということでもあります。

変化③:三次元データを前提とした発注が広がっている

国土交通省は2024年4月、i-Construction 2.0を策定しました。「施工のオートメーション化」「データ連携のオートメーション化」「施工管理のオートメーション化」の3本柱を掲げ、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上させることを目指すとしています(「i-Construction 2.0」を策定しました)。

また、直轄土木業務・工事におけるBIM/CIM適用に関する実施方針では、小規模なものや災害復旧等を除き、詳細設計および工事に原則適用するとされています(直轄土木業務・工事におけるBIM/CIM適用に関する実施方針)。

さらに施工段階では、3次元計測技術を用いた出来形管理の要領類が整備されており、空中写真測量(無人航空機)や無人航空機搭載型レーザースキャナーを用いた出来形管理がその対象に含まれます(建設施工・建設機械:要領関係等(ICTの全面的な活用))。

調査・設計・施工の各段階で三次元データが前提になれば、その取得と処理を担う人手が各段階で必要になります。 これが、ドローン測量に関わる仕事が単発ではなく継続的に発生する構造的な理由です。

今、転職・副業希望者が知っておくべき3つのポイント

ポイント①:「飛ばす人」より「処理して成果にできる人」の需要が読みやすい

市場が実装フェーズに入り、制度が標準化されたということは、作業が標準手順に沿って回るようになったということです。この段階で希少性が高いのは、飛ばせる人ではなく、取得したデータを準則やマニュアルに沿った成果品にできる人だと考えられます。

転職準備としては、操縦訓練より、点群処理ソフトの操作と、精度管理の考え方の理解に時間を配分するほうが合理的です。

ポイント②:資格は「測量法側」から考える

測量業を営むには測量業者の登録が必要とされ、測量法第55条の13第1項では「測量業者は、その営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならない」と定められています(国土交通省中部地方整備局の解説資料)。

制度が標準化されるほど、成果品の品質を担保する測量士・測量士補の位置づけは重くなります。ドローンの技能証明は飛行の内容によって必要となるものとされている一方(国土交通省 無人航空機操縦者技能証明等)、測量士補は求人要件として繰り返し登場します。優先順位を間違えないでください。

ポイント③:求人数のデータは「無い」と理解しておく

ここは正直に書いておきます。ドローン測量職に限定した求人数・採用者数・平均年収の公的統計は確認できていません。 「求人が急増している」といった表現を見かけても、その根拠が示されていない場合は鵜呑みにしないでください。

判断材料にできるのは、市場規模の推移、制度整備の状況、そして自分が実際に見た求人票の要件です。この3つで十分に意思決定はできます。

【データ】2026年時点の主要な数字と制度

項目 内容 出典
国内ドローンビジネス市場規模(2025年度) 4,973億円(前年度比13.8%増) インプレス総合研究所
同(2026年度見込) 5,501億円 インプレス総合研究所
同(2030年度予測) 9,544億円 インプレス総合研究所
ドローン利用企業の実装フェーズ比率 7割以上 インプレス総合研究所
i-Construction 2.0の目標 2040年度までに省人化3割以上/生産性1.5倍 国土交通省
作業規程の準則 最新改正 令和7年3月31日 国土地理院
令和8年測量士補試験 受験者12,269名/合格者5,447名/合格率44.4% 国土地理院
令和7年測量士試験 受験者3,703名/合格者1,487名/合格率40.2% 国土地理院

※試験データは令和8年測量士補試験の合格者を発表および令和7年測量士試験の合格者を発表による。合格率は年によって変動します。

これからのドローン測量に求められること

制度と市場の両面を踏まえると、今後求められるのは次のような人材だと考えられます。

  • 準則・マニュアルに沿って成果品を作れる人:精度管理と書類作成を含めて完結できること
  • 更新に追従できる人:準則もマニュアルも改正が続いている以上、学び直しが前提になる
  • 複数の計測手法を比較できる人:UAV写真測量、UAVレーザ、地上レーザ、LidarSLAMなど、現場条件に応じた手法選択ができること
  • 航空法と測量法の両方を理解している人:どちらか一方だけでは現場を回せない

逆に言えば、操縦技術だけを売りにするアプローチは、標準化が進むほど相対的に価値が下がると考えられます。転職準備の重心は、そこから移しておくのが安全です。

業界全体の将来性の読み方については、2026年のドローン業界 将来性トレンド|市場・政策・制度の3方向から見た4つの変化もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 2026年時点で、ドローン測量の求人は増えているのですか?

ドローン測量職に限定した求人数の公的統計は確認できていないため、「増えている」と断定することはできません。ただし、市場が実装フェーズに入り(利用企業の7割以上)、公共測量の準則にUAV測量が組み込まれ、直轄工事でBIM/CIMが原則適用されているという条件を見る限り、需要が生まれる構造は整っていると考えられます。

Q. 今から参入して遅くないですか?

制度整備が続いていることを踏まえると、「技術が固まって参入余地がなくなった」段階ではないと考えられます。令和8年3月にもマニュアルの改正が行われており、新しい計測手法が追加され続けている状況です。ただし、操縦技術だけでの参入は年々難しくなっていると見るべきです。

Q. どの職種を狙うのが現実的ですか?

測量会社の測量技術者、建設コンサルタントの調査・設計技術者、建設会社の施工管理職(ICT施工担当)、ドローンサービス事業者の計測担当が主な選択肢です。それぞれ必要な資格と評価軸が異なるため、ドローン測量の転職先はどう比較する?「誰の発注で飛ばすか」で5タイプに分ける企業の選び方で自分に合うタイプを確認してください。

Q. 副業としてドローン測量に関わることはできますか?

測量業を営むには、個人・法人・元請・下請を問わず測量業者の登録が必要とされています(国土交通省 測量業者登録制度とは)。副業として検討する場合は、まず自分がやろうとしている業務が「測量」に該当するかを確認し、判断がつかない場合は地方整備局等の窓口に確認してください。

Q. 市場予測の数字はどこまで信用できますか?

引用した2026年度・2030年度の数字は民間調査会社による予測値であり、実績値ではありません。前提条件が変われば結果も変わります。意思決定の材料にする際は、予測値より、すでに確定している制度(準則の改正、BIM/CIM原則適用など)のほうを重く見ることをおすすめします。

まとめ

2026年時点のドローン測量の求人動向は、次のように整理できます。

1. 市場は実装フェーズに入った:2025年度4,973億円、利用企業の7割以上が実装段階。土木・建築での普及が顕著 2. 制度はすでに標準化されている:作業規程の準則に三次元点群測量の編が設けられ、改正が継続 3. 三次元データ前提の発注が広がっている:i-Construction 2.0とBIM/CIM原則適用が需要の土台 4. 求人数の公的統計は存在しない:数字の根拠が示されていない「急増」表現は鵜呑みにしない

準備の方向としては、操縦よりデータ処理、技能証明より測量士補が、制度の動きと整合します。まずは自分が狙う業態を決めて、その業態の求人票が実際に何を求めているかを確認するところから始めてください。

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著者:ドロテン運営事務局(ドローン業界特化の転職・副業紹介サービス「ドロテン」の編集チーム)

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