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ドローン転職ガイド 警備・防災ドローン求人

ドローン警備の転職先はどう比較する?「警備業法のどの立場で関わるか」で5つの入口に分ける選び方

「ドローン警備の会社を比較したい」と検索しても、企業名を並べたランキングは出てくるのに、自分が応募できる求人がどれなのかは分からないままになりがちです。理由は単純で、ドローン警備の仕事は「警備会社に入る」以外に4つの入口があり、入口ごとに求められる資格も、未経験で入れるかどうかも、勤務形態もまったく違うからです。

この記事では、企業の知名度ではなく「警備業法のどの立場でドローンに関わるか」という軸で、求人が発生している5つの入口に分けて比較します。判断材料は、警察庁が公表している警備業の統計と省力化施策、警備業法・同施行規則の条文、国土交通省の航空法上のルールという一次情報に絞っています。

なお、ドローン警備そのものの仕事内容や収入の考え方についてはドローン警備の仕事とは?年収や必要資格を徹底解説で整理しています。本記事はその次の段階、「どの立場の求人に応募するか」を決めるための記事です。

前提:ドローン警備は「施設警備業務の省力化手段」として制度上に位置づけられている

比較の前に、押さえておくと求人票の読み方が変わる前提があります。

警察庁は令和7年12月22日に「省力化投資促進プラン ―警備業―」を公表し、その中で警備ドローンを、施設警備業務を省力化する製品として明記しています。同プランは警備ドローンの機能を「屋内外の巡回、異常の検知が可能」と説明し、警備ロボット・バーチャル警備システム・AI警備システムなどと並べて、施設警備業務における最上位の取組事例(優良事例)に位置づけています。

同プランが示す警備業の現状は次のとおりです。

  • 有効求人倍率は、2025年9月時点で警備業6.70倍に対し全職業1.10倍
  • 65歳以上の労働者の割合は、2024年時点で警備業34.3%に対し全職業13.6%
  • 全警備員のうち60歳以上が47%、70歳以上が20.9%
  • 令和6年には28名の警備員が不慮の事故により殉職している
  • 目標として、警備業の労働生産性を2029年度までに2024年度比25%向上させることを掲げている

つまりドローン警備の求人は、「新しい技術が面白いから増えている」のではなく、人が採れない・高齢化している・危険であるという三つの制約を同時に外すための手段として増えていると整理できます。求人票で何を評価されるかも、この文脈から逆算すると読みやすくなります。

出典:警察庁「省力化投資促進プラン ―警備業―」(令和7年12月22日)

ドローン警備の求人が発生する5つの入口

同じ「ドローン警備」でも、警備業法上の立場が違えば別の職種です。求人が発生しているのは、おおむね次の5つの入口です。

入口①:警備会社の施設警備部門(1号警備業務)でドローンを使う

もっとも数が多い入口です。警備業法第2条第1項第1号の警備業務、すなわち「事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等(警備業務対象施設)における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」の中で、常駐や巡回の一部をドローンに置き換える立場です。

この立場では、あなたはドローン操縦者である前に警備員です。警備業法第14条により18歳未満の者は警備員になれず、同法第21条第2項と施行規則第38条に基づき、新たに警備業務に従事させる警備員には基本教育と業務別教育を合わせて原則20時間以上、すでに従事している警備員には毎年度原則10時間以上の教育を受けさせることが会社の義務になっています。

入口②:機械警備の基地局・指令側(機械警備業務)

ドローンが検知した異常を、施設の外にある拠点で受けて判断し、警備員を差し向ける側の仕事です。

ここは制度の切れ目がはっきりしています。警備業法第2条第5項は「機械警備業務」を、警備業務対象施設に設置した機器が感知した事故情報を、その施設以外の施設に設置した機器へ送信・受信する装置を使って行う1号警備業務と定義しています。さらに同法施行規則第2条は、この装置を「電話その他送信者の音声を送信し、及び受信するための装置以外の装置」としています。

そのため、ドローンやカメラが検知した情報を施設外の拠点へ送って警戒する運用は、機械警備業務として扱われるのが自然な整理になります。機械警備業務にあたる場合、事業者側には第40条の公安委員会への届出、第42条の基地局ごとの機械警備業務管理者の選任、第43条の即応体制(必要な数の警備員・待機所・車両等の配置)が課されます。求人側から見ると、機械警備業務管理者資格者証の保有者が構造的に足りないポジションです。令和7年12月末時点で同資格者証を保有する警備員は8,076人で、令和7年中の交付は266件にとどまります。

入口③:ドローン・警備システムのメーカー/ベンダー

機体そのものや、AI検知・自動充電・遠隔監視のシステムを作って警備会社に供給する側です。警備員にはならないため警備業法上の教育義務や欠格要件はかかりませんが、代わりに求められるのは「警備の運用を分かっているエンジニア/プロダクト担当」という性質になります。

実例としては、セコムが2023年10月に発表した「セコムドローンXX」があります。同社の発表によれば、人物をAIで認識し、巡回や侵入監視を行う機体で、自動充電ステーションと連携した運用を想定しています。

出典:セコム「報道資料(2023年10月12日)」

入口④:官公庁・大規模施設案件の元請け側(通信事業者・SIer)

ドローン警備が大規模案件になると、機体メーカーでも警備会社でもない元請けが入ります。

2026年2月26日、KDDIとセコムは防衛省から陸上自衛隊向け「リモート警備システム」の構築を受託したことを発表しました。同社の発表によれば、AIカメラ・無人地上車両・AIドローンを活用して監視業務を高度化・効率化するもので、ドローンによる巡察、かけつけ、人物・車両検知による追跡が想定されており、実証運用を経て全国の陸上自衛隊駐屯地への展開を目指すとされています。

この入口の仕事は、操縦よりも要件定義・運用設計・関係法令の調整に寄ります。防衛関係施設は小型無人機等飛行禁止法の対象施設に含まれており、同法では対象施設とその周辺地域の上空での飛行が原則禁止され、対象施設の管理者またはその同意を得た者による飛行などが例外として位置づけられています。制度の前提を押さえて設計できる人が必要になる領域です。

出典:KDDI「KDDIとセコム、防衛省から陸上自衛隊向けリモート警備システムの構築を受託」(2026年2月26日)/警察庁「小型無人機等飛行禁止法関係」

入口⑤:ドローン運用の受託事業者(警備会社の下請け・業務委託)

警備会社やメーカーから、飛行そのものや点検・撮影を受託する立場です。副業・フリーランスの入口にもなりますが、ここは注意が必要です。他人の需要に応じて「盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」を行えば、それは警備業務であり、警備業法第4条の公安委員会の認定を受けずに行うことはできません。飛ばすだけの撮影・点検業務として受託するのか、警戒・防止まで担うのかで、必要な手続きが根本的に変わります。

【比較表】5つの入口を警備業法上の位置づけ・資格・未経験可否で比較する

入口 警備業法上の立場 主に必要になる資格・要件 未経験からの入りやすさ 働き方の特徴
①施設警備部門でドローンを使う 1号警備業務の警備員 18歳以上・欠格要件非該当/新任教育20時間以上/施設警備業務検定(配置要件がある現場) 入りやすい 夜間・休日勤務が入りやすい。現場常駐との兼務が多い
②機械警備の基地局・指令側 機械警備業務 機械警備業務管理者資格者証(基地局ごとに選任義務)/警備員教育 中程度(警備員経験からの内部異動が主) 交代制。現場かけつけとの連携が前提
③メーカー/ベンダー 警備業法の適用外(供給側) 技術職としての実務経験。技能証明は必須ではないが運用理解が求められる 職種により差が大きい 平日日勤中心。開発・実証が主業務
④官公庁案件の元請け 警備業法の適用外(元請け) 要件定義・法令調整の実務経験。航空法・小型無人機等飛行禁止法の理解 未経験からは入りにくい 平日日勤中心。プロジェクト単位
⑤運用受託・業務委託 警戒・防止を担うなら警備業の認定が必要 認定(警戒・防止を担う場合)/航空法上の許可・承認または技能証明+機体認証 実績次第 案件単位。副業・兼業と両立しやすい

※資格・要件は法令上の枠組みを整理したものです。個々の求人の応募条件はこれと一致しない場合があるため、必ず募集要項で確認してください。また表中の企業例は公表資料で確認できた導入・受託事例であり、各社の採用状況を示すものではありません。

選ぶ際の3つのチェックポイント

① 「操縦」の比率が実際どれくらいかを確認する

入口①の求人は、求人票に「ドローン」と書かれていても、実務の大半が従来型の施設警備であることが少なくありません。これは制度の構造から見ても自然です。警察庁「令和7年における警備業の概況」によれば、令和7年12月末現在で警備員は59万6,985人おり、1号警備業務を行う警備業者は6,975業者(全体の63.7%)ある一方、機械警備業者は512業者にとどまります。ドローンや機械装置を運用する側は、警備業界全体から見ればまだ薄い層です。

面接では「ドローンを飛ばす業務は週あたり何時間か」「飛行のない日は何をするのか」を具体的に確認しておくと、入社後の認識のずれを避けられます。

② 屋内か屋外か、夜間飛行があるかを確認する

飛ばす場所と時間帯で、必要な手続きが変わります。

国土交通省の資料では、屋内として整理された空間等において飛行させる場合、航空法の飛行禁止空域・飛行の方法に関するルールは適用されないとされています。倉庫・工場内・ネットで囲われた区画のみを飛ぶ運用であれば、航空法上の許可・承認の話は原則として出てきません。

一方、屋外で夜間に飛ばす運用は、航空法上「飛行の方法」の制限にあたります。国土交通省は、夜間飛行、目視外飛行、人または物件から30m以上の距離を確保できない飛行を原則として禁止し、行う場合には承認が必要としています。加えて、機体認証と操縦者技能証明があれば、立入管理措置を講じたうえで行うカテゴリーII飛行の一部について、許可・承認の手続が不要になる場合があるとしています。

警備は夜間が主戦場になりやすいため、「屋外・夜間があるか」は資格要件を左右する実質的な分岐です。

出典:国土交通省「無人航空機の飛行許可・承認手続」/同「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」

③ 教育と資格取得を会社が負担するかを確認する

入口①②では、警備員教育は会社の義務です。一方、航空法上の技能証明は個人の資格であり、取得費用を会社が負担するかは各社の方針によります。技能証明の有効期間は3年で、更新申請は有効期間満了日の6か月前から1か月前までに行う必要があるため、取得費用だけでなく更新の扱いまで確認しておくと実質的な条件が見えます。

資格取得の順番そのものに迷っている場合は、ドローンパイロットへの転職は資格なしでも可能?できる仕事とできない仕事を航空法から切り分けるも併せてご覧ください。

出典:国土交通省「無人航空機操縦者技能証明等」

よくある質問(FAQ)

Q. 未経験でも応募できる入口はどれですか

入口①(施設警備部門)がもっとも現実的です。警備業法上、警備員になるための要件は18歳以上であることと欠格要件に該当しないことで、事前の資格保有は求められていません。必要な知識と技能は入社後の新任教育(基本教育・業務別教育あわせて原則20時間以上)で担保する仕組みになっています。

Q. 二等無人航空機操縦士を先に取れば有利になりますか

飛ばす場所によります。屋内のみの運用では航空法の飛行ルール自体が適用されないため、技能証明の有無が評価に直結しない場合があります。屋外・夜間の運用がある求人では、機体認証と技能証明があることでカテゴリーII飛行の一部の申請が不要になるため、運用コストを下げられる人材として評価されやすいと考えられます。応募先の運用場所を先に確認するのが合理的です。

Q. ドローン警備の会社ランキングを見て選べばよいのでは

企業の規模や知名度は、あなたがどの入口に入るかを教えてくれません。同じ大手警備会社でも、施設警備の現場配属(入口①)と機械警備の基地局配属(入口②)、研究開発部門(入口③に近い立場)では、必要な資格も勤務形態も異なります。企業名より先に、募集ポジションが5つの入口のどれなのかを特定するほうが、比較の精度が上がります。

Q. ドローン警備の需要は本当に伸びているのですか

導入を後押しする制度的な圧力は確認できます。警察庁「令和7年における警備業の概況」によれば、機械警備業務の対象施設数は令和7年12月末現在で352万5,422箇所と前年より10万1,952箇所(2.9%)増加した一方、基地局数は617(令和3年を100とした指数で90)、専用巡回車数は11,047台(同85)へと減少しています。対象施設が増えながら人と車が減っているため、専用巡回車1台当たりの対象施設数は319施設(同127)に上昇しました。この差を埋める手段として省力化製品が求められている、という構造です。

Q. 副業や業務委託でドローン警備に関わることはできますか

飛行や撮影の受託であれば可能性がありますが、「盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」を他人の需要に応じて行う場合は警備業務にあたり、警備業法第4条の認定が必要です。受託内容が警戒・防止に及ぶかどうかを、契約前に明確にしておく必要があります。

まとめ

ドローン警備の転職先は、企業名で並べるとかえって選びにくくなります。比較の軸は「警備業法のどの立場で関わるか」です。

  • 入口①施設警備部門:未経験から入りやすい。ただし操縦業務の比率を必ず確認する
  • 入口②機械警備の基地局・指令側:機械警備業務管理者が構造的に不足している。警備員経験からの内部異動が主な経路
  • 入口③メーカー/ベンダー:技術職としての実務経験が主軸。警備業法の適用外
  • 入口④官公庁案件の元請け:要件定義・法令調整の経験が必要。未経験からは入りにくい
  • 入口⑤運用受託:警戒・防止まで担うなら警備業の認定が必要

そして入口を決めたら、「屋内か屋外か」「夜間飛行があるか」の2点を確認してください。この2点で、必要な資格と入社後の働き方がほぼ決まります。

どの入口が自分の経験に合うのかを判断するには、手持ちの職歴とどこまで働き方を変えられるかを一度整理するのが早道です。希望条件を伝えていただければ、5つの入口のうちどこから当たるべきかを具体的にご提案できます。まずは無料相談で、いま検討している条件をそのままお聞かせください。

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著者:ドロテン運営事務局(ドローン業界特化の転職・副業紹介サービス「ドロテン」の編集チーム)

本記事の制度・統計に関する記述は、警察庁「令和7年における警備業の概況」および「省力化投資促進プラン ―警備業―」、警備業法・警備業法施行規則、国土交通省の無人航空機に関する公表資料、警察庁「小型無人機等飛行禁止法関係」を確認して記載しています。制度は改正されることがあるため、実際の手続きにあたっては必ず最新の一次情報をご確認ください。

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