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キャリアアップ事例 測量・建設ドローン求人

ドローン測量への未経験転職「成功事例」は再現できるのか|語られる話を制度要件から検証する

「未経験からドローン測量に転職できた」という話は数多く見つかります。しかし、そこで語られている内容が自分にも再現できるものなのかは、その話だけを読んでも判断できません。

この記事では、個人の体験談として断定的に語るのではなく、ドローン測量への未経験転職において制度上どうしても必要になる要件を整理し、「成功事例」として流通している話のどこが再現可能で、どこがその人固有の条件だったのかを切り分けます。読み終えたとき、自分のケースで何を準備すべきかが判断できる状態を目指します。

転職を検討し始める背景として語られる一般的な傾向

ドローン測量への転職を考え始めるきっかけは、おおむね次のような文脈で語られることが多いようです。あくまで一般的な傾向であり、特定の個人の証言ではありません。

  • 建設・土木の現場経験者が、三次元データを扱う側に移りたいと考える
  • 測量業界にいる人が、従来手法だけでなくUAVを使う業務に関わりたいと考える
  • 異業種にいる人が、屋外での仕事と技術職の要素を両立させたいと考える

背景として、国土交通省はi-Construction 2.0において、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上させることを目指すと示しています(「i-Construction 2.0」を策定しました)。三次元データを前提とした現場づくりが政策として進められている、という状況は事実として確認できます。

ただし、政策が進んでいることと、個人が未経験から採用されることは別の話です。 ここを接続するのが、次に整理する制度要件です。

「成功事例」に共通して含まれる4つの要素

未経験からドローン測量に移った話を読むと、表現は違っても、次の4つの要素がほぼ必ず含まれています。これは偶然ではなく、制度上そうならざるを得ない構造があるためです。

要素①:測量法側の資格に、どこかの時点で向き合っている

測量法では、測量業を営むには測量業者の登録が必要とされ、さらに測量法第55条の13第1項で「測量業者は、その営業所ごとに測量士を1人以上置かなければならない」と定められています(国土交通省中部地方整備局の解説資料)。

測量会社にとって測量士は事業の存立要件です。したがって、入社時点では資格がなくても、遅かれ早かれ測量士補・測量士に向き合うことになります。 「資格なしで入れた」で終わっている話は、その後の経過が書かれていないだけである可能性が高いと考えられます。

要素②:操縦だけでなく、データ処理の工程に触れている

ドローン測量の成果は、写真や点群データを処理して初めて意味を持ちます。国土地理院はUAVを用いた公共測量マニュアル(案)(平成28年3月、平成29年3月改正)やUAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)(平成30年3月、令和2年3月改正)を整備しており、作業手順や精度の考え方が定められています。

「飛ばせるようになった」だけで完結している話は、実務の一部しか語っていません。再現を目指すなら、解析工程に触れた経験があるかどうかを重視してください。

要素③:入社後に育成される前提の求人に応募している

未経験採用は、入社後の育成を前提とした枠です。求人票における「資格取得支援あり」「歓迎資格:測量士補」といった表記が、その目印になります。この条件が合っていたかどうかが、結果を大きく左右します。

要素④:前職の経験と、測量業務の接続点を説明できている

建設・土木の現場経験、CADや3Dソフトの操作経験、写真・映像の知識、ITスキルなど、前職で得たものを測量業務のどの工程に結びつけられるかを説明できているケースが多く見られます。これは資格と違って準備に時間がかからない一方、準備しないと差がつく部分です。

実際に踏むことになるステップ

上記の4要素を、時系列の行動に置き換えると次のようになります。

1. 応募先の業態を1つに絞る:測量会社、建設コンサルタント、建設会社、ドローンサービス事業者で必要資格が変わる 2. 測量士補の学習を開始する:試験は年1回のため、合格を待たずに並行して応募する 3. 育成前提の求人に応募する:資格取得支援の有無を求人票で確認する 4. 前職との接続点を職務経歴書に書く:どの工程で何が活かせるかを具体的に書く 5. 入社後に資格を取得する:ここまで含めて「転職できた話」になる

手順の詳細は未経験からドローン測量に転職する手順|「資格を取る順番」を間違えないための3ステップにまとめています。

【データ】関係する資格・制度の比較

「成功事例」で言及される資格を、根拠となる制度とともに整理すると次のようになります。

資格・制度 根拠 資格要件 有効期間 直近の公表データ
測量士補 測量法 試験合格、または国土交通大臣の登録を受けた養成施設の卒業+登録申請 登録に期限の定めなし 令和8年試験:受験者12,269名/合格者5,447名/合格率44.4%
測量士 測量法 試験合格、または学歴+実務経験等+登録申請 登録に期限の定めなし 令和7年試験:受験者3,703名/合格者1,487名/合格率40.2%
無人航空機操縦者技能証明(一等・二等) 航空法 学科・実地試験等 技能証明書は3年間
測量業者登録 測量法 測量業を営む者が受ける登録(個人・法人・元請・下請を問わない)

※測量士補・測量士の試験データは国土地理院の公表による(令和8年測量士補試験の合格者を発表令和7年測量士試験の合格者を発表)。合格率は年によって変動します。技能証明の制度概要は国土交通省 無人航空機操縦者技能証明等による。

この表で押さえておきたいのは、技能証明だけが有効期間のある資格だという点です。取得後も3年ごとの更新が発生するため、費用と手間を継続的に見込む必要があります。一方、測量士・測量士補の登録には期限の定めがありません。長期的なキャリア資産としての性格が異なります。

成功事例を読むときに確認すべき3点

他の人の転職談を参考にする際は、次の3点が書かれているかを確認してください。書かれていない場合、その話は再現性の判断材料になりません。

①どの業態に入ったのか

測量会社なのか、建設会社なのか、ドローンサービス事業者なのかで、必要だったものがまったく違います。業態が書かれていない話は、自分に当てはめようがありません。業態ごとの違いはドローン測量の転職先はどう比較する?「誰の発注で飛ばすか」で5タイプに分ける企業の選び方で整理しています。

②前職が何だったのか

建設業界からの転身と、まったくの異業種からの転身では、求められた説明の量が違います。前職が書かれていない話は、自分との距離が測れません。

③入社後にどうなったのか

入社できたことと、その後定着して技術者として成長したことは別の話です。資格をいつ取ったか、何年目でどんな業務を任されたかまで書かれている話のほうが、参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 未経験からドローン測量に転職できた人は実際にいるのですか?

未経験者を受け入れる求人が存在すること自体は、求人票の記載(「未経験歓迎」「資格取得支援あり」)から確認できます。ただし、ドローン測量職に限定した未経験採用者数の公的統計は確認できていないため、「どれくらいの人が成功しているか」を数字で示すことはできません。個別の求人要件を一件ずつ確認するほうが確実です。

Q. 成功事例に出てくる年収の数字は信用できますか?

公的統計でドローン測量職に限定した平均年収を確認することはできません。個別の体験談に出てくる金額は、その人の保有資格、役職、地域、企業規模に依存した数字と考えるべきです。応募を検討する際は、求人票に記載された提示額と手当の内訳を直接確認してください。

Q. 資格がない状態で入社した場合、どのくらいで取得を求められますか?

会社によって異なり、一律の基準はありません。ただし、測量業者には営業所ごとに測量士を1人以上置く義務があるため、組織として資格者を増やす動機は常にあります。面接の段階で「入社後、いつまでにどの資格を取ることを期待していますか」と直接確認するのが確実です。

Q. 年齢が高くても未経験転職は可能ですか?

年齢だけで一律に判断されるわけではありませんが、未経験採用は育成を前提とするため、年齢が上がるほど「前職の何を活かせるか」の説明の重みが増します。建設・土木・IT・製造などの経験は測量業務との接続点を作りやすいので、職務経歴書で意識的に言語化してください。

Q. 「成功事例」と「よくある話」を見分けるコツはありますか?

制度に触れているかどうかが一つの目安です。測量法の資格と航空法の資格を区別せずに語っている記事は、実務の理解が浅い可能性があります。この区別についてはドローン測量に資格は必要?「必要」と「不要」が混在する3つの理由を制度から切り分けるで詳しく整理しています。

まとめ

ドローン測量への未経験転職の「成功事例」は、次の4要素に分解できます。

1. 測量法側の資格に、どこかの時点で向き合っている 2. 操縦だけでなくデータ処理の工程に触れている 3. 育成前提の求人に応募している 4. 前職との接続点を説明できている

このうち、①②④は誰でも準備できます。③は求人の選び方の問題です。つまり、「成功事例」の中身のほとんどは、運ではなく準備で説明できる要素だということになります。

他の人の話を読んで不安になったり、逆に安心しすぎたりするより、この4つを自分のケースに当てはめて、足りないものから埋めていくほうが確実です。業界全体での未経験転職の進み方については、ドローン業界への未経験転職はどう進むのか|典型的な成功パターンと共通点を検証もあわせてご覧ください。

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「自分の経歴だと、4つの要素のどこが足りないのか」を客観的に見てほしい、という段階でもご相談いただけます。無料相談で職務経歴の整理からお手伝いします。実際の求人要件を確認したい方は、ドローン業界の求人一覧もご覧ください。


著者:ドロテン運営事務局(ドローン業界特化の転職・副業紹介サービス「ドロテン」の編集チーム)

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